2015年御翼1月号その1
優しさの鍵――― ゲーリー・チャップマン 優しさの鍵
ゲーリー・チャップマン『愛という名の贈り物』(いのちのことば社)より
優しさとは、ほかの誰かのことを気にかけ、その人が何を必要としているかをわかってあげること。それは、私たちが出会うすべての人に価値を見出すことです。
こんなふうに適用してみては?
一 あなたが出会うすべての人を、こんなふうに思い描いてみましょう――
- このうえなく大事な人
- すぐれた才能のある人
- 人生における唯一無二の役割を担うために生まれた人
- 真の愛を受け取り、それに報いることができる人
二 あなた自身のことを、こんなふうに思い描いてみましょう―
- 真の愛の姿勢を身につけつつある、これまでとは違う自分
- 優しさを身にまとう潜在能力のある人
- 拒絶されたり、不親切な扱いを受けても優しさを示すことができる人
- 優しさの行為を受け取るか拒むか、優しさを返すかの自由を相手に与えられる人
- どんな人に会っても優しさを示すチャンスだとみなせる人
これらのポイントをカードに書いて、たとえば洗面所の鏡のように毎日、目にするところに貼っておくのもいいかもしれませんね。
三 今週、どの一日でもいいから、あなたが見聞きした優しさをすべて記録してみましょう。誰がどんなことをしたり言ったりしたか、という簡単なものでかまいません。
四 今週少なくとも二日間、朝起きたら、その日に言葉や行動で優しさを表せそうな機会を五つ考えましょう。その日の終わりには、実行した優しさの行為を記録しましょう。
五 自分の言っていることを聞きながら話す習慣をつけましょう。
人と話したあとは、そのたびにこう自分に問いかけること。「私はどんな優しいことを言っただろう?どんな優しくないことを言っただろう?」それから好ましくないことを言った人に一人ひとり、謝りましょう。
ニューヨークの街で羽振りをきかすギャングのボスで麻薬常用者のニッキー・クルス(一九三八〜)は、デイヴィッド・ウィルカーソンをにらみつけて言った。ウィルカーソンは、ニッキーのような人間を助けることに使命感を抱いている若者だった(デイヴィッド・ウィルカーソンは、米国のキリスト教の伝道者、牧師。『十字架と飛び出しナイフ』の著者、ニューヨーク・タイムズ・スクエア教会と厚生施設ティーン・チャレンジ・センターの創立者)。
「おれのそばに近づいたら、ぶっ殺すからな」とニッキーがすごむ。すると、「どうぞ、どうぞ。ぼくのこと、千個に刻んだってかまいませんよ。それを道路に並べたら、そのひとつひとつがみんな、あなたを愛するから」と、ウィルカーソンは答えたのだ。やがてニッキー・クルスは繁華街の生活に見切りをつけ、世界的に影響を及ぼすキリスト教のエバンジェリスト(伝道師)となった。
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